道を切り開く


 瞬間的には自分に不運だと思えたものが、長い目で見ると非常に好運だったと言うことがあります。


 私は、京都の小さな会社で社会人としての第一歩を踏み出しました。ところが、給料が遅配になる、ボーナスが出ない、将来の望みもない、という現実に遭遇し、私は会社を辞めようと思いました。

 

 しかし、兄に諭され、また当時の社会情勢や私の家庭環境が容易に転職を許すものではなく、私は踏みとどまらざるを得ませんでした。好むと好まざるとにかかわらず、今の仕事に喜びを見つけようとする心境に自分を変え、自分の置かれている環境の中で自分の道を切り開いていくしかなかったのです。


 それから研究に打ち込み出したのですが、素晴らしい結果が出るのです。すると、優秀な人材もいない会社ですから、目立つのか、上司から声がかかります。そうすると、張り合いが出来て、さらに努力をする、また褒められると言うように好循環が起こり、その結果、私の人生は大きく開けていきました。


 もし、最初から環境や条件に恵まれていたら、今日の私はないと思います。人生とは長いスパンでみなければ、その真の姿は分からないのです。




上記の言葉は

京セラ、KDDIの設立者であり

経営破綻したJALを2年で再生させた

経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。


私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように

人生や会社の未来は

考え方や人生観、在り方、哲学で

決まるのではないかと思い至りました。


これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を

自分自身のために、そしてコンパスの未来のために

全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。


社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み

繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。


代表取締役社長 板橋満彦




出典

『心を高める、経営を伸ばす』

―素晴らしい人生をおくるために― 

稲盛和夫著  発行元PHP研究所