信念にまで願望を高める


 状況妄動型の人間であってはならないと思います。


 状況妄動型とは、「こうしたい」と思っても、社会情勢、経済情勢などから、すぐに実現困難であると諦めてしまう人のことを言います。状況を理解すればするほど、不可能であるという結論に自分を導いていくのです。


 一方、心の奥底からこうありたいという強い願望を持った人ですと、周囲の環境がいかに難しくとも、願望を実現するための方法を考えていきます。そこに努力と創意が生まれてくるのです。


 同じ厳しい環境に置かれても、状況妄動型の人は、状況が悪いことを理解し、その結果自分の願望が無謀であったことを悟るだけですが、心の奥底から発し、信念にまで高まった願望を持っている人は、問題をいかに解決するかという創意工夫と努力を始めるのです。


 つまり、”状況は我に利あらず”と理解した時に、自分の願望を捨てる人と、次の瞬間から改めて勇気を奮い起こす人の違いです。


 人生において、素晴らしい歩みをしていく人と、挫折につぐ挫折を重ねていく人、また平々凡々と進む人、その違いは、ここにあると思います。