潜在意識を活用すれば、正しい判断を迅速に、しかも楽々と行うことが可能です。
たとえば、車を運転する場合、カーブの曲がり具合やスピードによって、ハンドルの切り方が違います。運転に慣れると、無意識のうちにその状況を判断して運転しています。それは、繰り返し行ったため、潜在意識の中に類型のパターンが入っており、瞬間的にそれを呼び出して対応しているからです。
将棋の升田名人が、「対局の山場で、次の手がひらめいたが、慎重に長考し、何十手も読んでいった。しかし結局、最初瞬間的に浮かんだ手しかなかった」と言っておられました。これも、潜在意識に入っているパターンを活用した一例です。
人生で私たちが経験したことは、すべて潜在意識に入っています。その中でも、毎日気を込めて繰り返し行った経験、または強烈な経験は、実在意識へ取り出して活用できるのです。
しかし、強烈な経験は自ら求めて必ず得られるものではありません。であれば、なにごとも真剣に気を込めて繰り返し考え抜き行うことが、潜在意識を活用する唯一の方法なのです。日々の真剣な姿勢を抜きにして、正しく迅速な判断はありません。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように
人生や会社の未来は
考え方や人生観、在り方、哲学で
決まるのではないかと思い至りました。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所