筋を通す


「話に筋が通る」とか「筋が通らない」とか言います。この”筋”とは、人間の精神の指標のことです。その人が持つ判断基準、いわばフィロソフィと言い換えてもいいでしょう。


皆さんは、それぞれの立場で判断を迫られるでしょう。そして自分の判断基準に照らして、良い悪いを判断しているはずです。そして、その判断基準の根源をたどれば、道理とか倫理、つまり人として正しいものは何か、という原理原則であるはずです。


ですから、筋が通るということは、単に論理的に矛盾がないといことではなく、人としてとるべき道に照らし合わせて、不都合がないということなのです。つまり、頭の中だけで軽々しく判断したものではなく、人間の精神の最もベーシックな部分にまで立ち返って考えてみて、理にかなっていることを筋が通るというのです。


筋を持たない人は、何もできません。自分の基準をどこに置くかが分からないからです。これに反して、筋を持った人は万般に通じていきます。それは、筋というものが、万人に納得しうるものだからです。


正しい判断をするには、自らの中に指標が確立されていなければなりません。



上記の言葉は

京セラ、KDDIの設立者であり

経営破綻したJALを2年で再生させた

経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。



私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように

人生や会社の未来は

考え方や人生観、在り方、哲学で

決まるのではないかと思い至りました。



これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を

自分自身のために、そしてコンパスの未来のために

全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。


社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み

繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。


代表取締役社長 板橋満彦




出典

『心を高める、経営を伸ばす』

―素晴らしい人生をおくるために― 

稲盛和夫著  発行元PHP研究所