善に見る


正しい判断を行うには、正しい認識がなされなければなりません。しかし、この正しく認識するということが非常に難しいのです。


なぜなら、現象というのは、ただ一つの事実しかないのですが、観察者の視点によって左右されるからです。決して絶対的な事実だけが存在するのではありません。現象を観察する人の、心のフィルタを通して見るだけに、主観に左右され、ただ一つしかない事実が善にも悪にもなるということを、私たちは日常経験しています。


たとえば、ここに全力で働いている人がいるとします。その人をたった一回の人生を真面目に人一倍働いて、一生懸命に生きようとしていると見るならば、善かもしれません。しかし、家族や自分の健康も顧みず、遊びも知らず、ガムシャラに働くだけという意味ならば悪だとも考えられるわけです。


どちらかが正しいのではありません。両方とも誤っているのかもしれません。どうせ主観に左右されるならば、ものごとを善に見ていく習慣をつけるべきだと私は考えています。否定的なものの見方は、自己の成長や問題の解決をもたらしませんが、次元の高い心に基準を求めた認識や判断は、必ずや良き結果をもたらすはずだからです。



上記の言葉は

京セラ、KDDIの設立者であり

経営破綻したJALを2年で再生させた

経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。


これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を

自分自身のために、そしてコンパスの未来のために

全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。


社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み

繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。


代表取締役社長 板橋満彦




出典

『心を高める、経営を伸ばす』

―素晴らしい人生をおくるために― 

稲盛和夫著  発行元PHP研究所