私は、仕事ではパーフェクト(完全主義)を求めます。
ところが、事務屋の人たちは、九割方うまくいけば、「これでいいだろう」と、いい加減のところであきらめてしまいます。事務屋は、ミスがあっても、消しゴムで消せると思っているからです。また、九割方でも、それなりに効果はありますから、完全さをあまり追求することはしません。
しかし、化学実験では、九九パーセントうまくいったとしても、一パーセント失敗すれば、ふいになってしまうことがあります。技術屋で修羅場をくぐったことのある人ですと、このささいなミスが命取りになることを知っています。そのため、気難しく完全さを追求するといった姿勢が出てくるのです。
このような完全主義を自分に課し、毎日を生きるのは大変つらいことです。しかし、習い性となれば、苦もなくできるようになります。人工衛星が地球の引力に逆らって上昇していくには、大変なエネルギーを必要としますが、軌道に乗ってしまえば、エネルギーを必要としないのと同じです。
完全な仕事の追求を、日々の習慣としなければなりません。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように
人生や会社の未来は
考え方や人生観、在り方、哲学で
決まるのではないかと思い至りました。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所