並を超える

 現在の学校制度では、学校を落第しない程度に要領よく60点を取った者と、努力して常に80点以上を取った者とが、同じように卒業してしまいます。


しかし両者には、点数にすればわずか20点ですが、実は大変な差があるのです。後者に至る過程には、いくつものバリア(障壁)が存在するはずです。彼は血の滲むような努力をへて、それらのひとつひとつを突破してきたに違いありません。


「60点、並でいい」と考えるのか、「並ではいけない」とし、バリアを恐れず敢然と立ち向かっていくのか、それはその人の人間性を示すとともに、人として生きる上での分水嶺とも言えるでしょう。


より高く自らを導いていこうとするならば、何度もバリアに遭遇することでしょう。バリアとは、楽をしようとする心のことです。この安逸を求める心との葛藤に打ち勝つ克己心こそが、人として並を超えさせていくのです。


易きに流れようとする自分にムチ打つ苦しさ、それは並大抵のものではありません。しかし、それだけに自分自身に打ち勝った時の喜びも大きいのです。



上記の言葉は

京セラ、KDDIの設立者であり

経営破綻したJALを2年で再生させた

経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。



私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように

人生や会社の未来は

考え方や人生観、在り方、哲学で

決まるのではないかと思い至りました。



これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を

自分自身のために、そしてコンパスの未来のために

全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。


社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み

繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。


代表取締役社長 板橋満彦




出典

『心を高める、経営を伸ばす』

―素晴らしい人生をおくるために― 

稲盛和夫著  発行元PHP研究所