魂を込めて語りかける

 話を聞いていると、どことなく言葉に”遊び”を感じる話し方をする人がいます。概してそういう人は話が巧みで、言葉が流暢です。黙って聞き流している分には、耳に快いのですが、よくよく話を聞いてみると、少しも中身がない場合が多いのです。


これを雄弁だと錯覚する人がいるかもしれません。しかし、私は少しも魅力を感じません。むしろ軽薄な感じがして真剣に話す気がしなくなります。さらに言えば、その人の人間性までが、薄っぺらなものに思えてきます。


若い人たちには、こうしたうわべだけの話し上手をまねして欲しくないと思います。トツトツとした語り口でもいいから、魂から奔り出た言葉で喋ってほしいと思うのです。


一生懸命、何とか相手に分かってほしいという思いを込めて、心の底から発した言葉は、単なる言葉のための言葉よりも訴える力が強く、聞き手の感動を呼び起こすはずです。


やはり、感動を伴ってこそ、心から相手に理解してもらえるのです。変に技巧に走るくらいなら、まず全身全霊を傾けて、一生懸命に話すことを心がけてほしいと思います。



上記の言葉は

京セラ、KDDIの設立者であり

経営破綻したJALを2年で再生させた

経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。



私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように

人生や会社の未来は

考え方や人生観、在り方、哲学で

決まるのではないかと思い至りました。



これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を

自分自身のために、そしてコンパスの未来のために

全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。


社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み

繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。


代表取締役社長 板橋満彦




出典

『心を高める、経営を伸ばす』

―素晴らしい人生をおくるために― 

稲盛和夫著  発行元PHP研究所