「発明発見のプロセスは哲学の領域だが、それが理論的に解明されたときに科学になる」と、故田中美知太郎先生(元京都大学名誉教授)が言われました。
私は、これを聞いて大変な感銘を受けました。
科学の世界ですでに解明された常識と、真の創造との間には大きなギャップがあり、これを超える飛躍である発明発見は、精神的活動領域の産物だというのです。つまり、科学的常識をいくら積み上げても、真の創造はできないと言われたのです。
ガリレオは、天動説が常識であった時代に地動説を唱え、弾圧を受けました。このガリレオの地動説は、彼の「我思う」という信念、哲学でした。後にそれが証明され、はじめて科学となったのです。
真の創造とは、その時点での科学的常識の積み上げではなく、飛躍したインスピレーションから始まるのです。このインスピレーションが哲学を形成させ、これが証明され世に受け入れられてはじめて科学となるのです。
科学的常識の押しつけが、創造性を抑圧してしまうことがあります。非科学の中に、真の創造の端緒を見いだすこともできるのです。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように
人生や会社の未来は
考え方や人生観、在り方、哲学で
決まるのではないかと思い至りました。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所