創造的な領域では、基準とするものがありません。真っ暗闇で嵐が吹きすさぶ海原を、羅針盤も持たず航海していくようなものです。
私はそのような航海の途上、悶え苦しみ、灯台の明かりを希求していました。しかし、未踏の海原に灯台はありませんでした。あるのは、自分の心の中にある灯台だけでした。
自らの灯台の明かりをさらに強く燃やし、周囲を照らし、自分のいる位置を定め、行き先を自ら照らしださねばならなかったのです。
つまり、他に基準とするものがないならば、自らの心に描く理想にどれだけ近づくかということでしか、未知の領域での航海法はないのです。
これは、パーフェクト(完全主義)という姿勢に相通ずるものです。ベターが他に比較して相対的により良いという意味であり、またベストがそれらの中で最良のものという意味なのに対し、パーフェクトとは自らの内なる理想に対するあくなき追求心のことを言います。
基準とする何ものもない創造的な領域では、自分自身を羅針盤にして方向が定められるのです。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように
人生や会社の未来は
考え方や人生観、在り方、哲学で
決まるのではないかと思い至りました。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所