技術開発など新しいことを進めようとするとき、私は「見えてこなければならない」とよく言います。
夢みたいなことを言っているうちに、夢と現実との境がなくなってしまうということを、私は何回も経験しています。つまり、最初のうちは夢や理想として考えていたものが、ずっと考えているうちに、現実なのか夢なのか自分でも分からなくなってきてしまうという状況になってはじめて、「できる」と私は思うわけです。
そして、まだ何もやっていないのに、もう「できる」ということを言い出すのです。そういう心理状態を、私は「見える」という表現で言っているのです。
夢みたいなことを、ただ漠然と考えているようでは話になりません。まだ、やってもいないことまでが、「やれる」という自信に変わったときにはじめて、「見える」ということになるのです。それは、テーマをどこまで深く、どれだけ長く考えているかによります。
こういう「見える」という状況まで考えつくさなければ、何ごとも絶対にものにならないと私は思っています。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように
人生や会社の未来は
考え方や人生観、在り方、哲学で
決まるのではないかと思い至りました。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所