経営の目的をどこに置くかという事が重要です。私はなるべく次元の高いものであるべきだと思っています。
なぜ高い次元の目的意識が必要なのでしょう。我々は、経営に情熱を燃やし、エネルギーを高めていかなければならないのですが、お金が欲しいとか、名誉が欲しいという欲望は、強いエネルギーを持っている半面、必ず後ろめたさが伴います。この後ろめたさが、エネルギーを押し下げるわけです。
人間ですから、やはり大義名分が必要なのです。誰に聞かれても、自分の良心に照らしても、立派だと言えるだけの目的がなければならないのです。堂々と公言できる立派な目的であれば、誰に遠慮することなく、エネルギーを高めていくことができます。そのためにも、経営の目的は、次元が高い方が良いのです。
経営の目的は、経営者の人生観とも言い換えることができるでしょう。いびつな人生観から生まれる、狂ったような情熱は、一時的には成功につながることもあるでしょうが、やがては必ず失敗に結びつきます。
これに対して人生観や哲学が浄化され、立派なものになっていると、成功を収めた後、同じ要因で失敗するといったことはないと思います。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように
人生や会社の未来は
考え方や人生観、在り方、哲学で
決まるのではないかと思い至りました。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所