本質を見極める


 社会が複雑になってくれば、起こってくる現象も複雑になってきます。単に現象面だけを見ていきますと、高度に複雑になった社会現象に目を奪われて、本質を見失いがちですが、経営を行っていくにあたっては、現象の中にある本質を見極めることが重要です。


たとえば、日本列島改造論によって土地ブームが起こり、多くの会社が高騰を期待し、争って土地を購入しました。しかし私は、営々と汗を流して、ものをつくり、それを売って、利益を出すのだと自分に言い聞かせ、土地の購入は行いませんでした。


すると、後にオイルショックが起こり、資金が土地に寝てしまって、動きが取れない会社が続出しました。


そのとき私の会社は、流動性の高い資金を有し、金融収支もプラスで、新たに設備投資もできるというので、世間から高い評価を受けました。


私に将来が見えていたわけではありません。世の多くの人たちが、現象面にとらわれて、あまりに付和雷同しすぎたのです。私は、何が正しいのかということを考え、自分の生き様をかたくなに守っただけなのです。



上記の言葉は

京セラ、KDDIの設立者であり

経営破綻したJALを2年で再生させた

経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。



私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように

人生や会社の未来は

考え方や人生観、在り方、哲学で

決まるのではないかと思い至りました。



これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を

自分自身のために、そしてコンパスの未来のために

全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。


社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み

繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。


代表取締役社長 板橋満彦




出典

『心を高める、経営を伸ばす』

―素晴らしい人生をおくるために― 

稲盛和夫著  発行元PHP研究所