経営者は、自分の企業、集団のために、利益を追求しなければなりません。
これは決して恥ずべきことではありません。自由競争の原理が働いている市場において、堂々と商いをし、得た利益は正当なものです。厳しい価格競争の中で、合理化をし、付加価値を高める努力を払い、経営者とその集団が額に汗して勝ち取った利益ですから、堂々と得られてしかるべきです。
しかし利益を追求するあまり、人の道として恥ずべき手段を持って経営を行ってはなりません。公明正大に、仕事を通じて、製品を通じて、自分たちの努力の成果として、高い利益を得るという、正道を歩むべきです。
人々の利益に反するような、卑劣な手段を持って、一攫千金を夢見るようなことがあってはなりません。石油ショックのころ、千載一遇とばかり、物を売り惜しみ、値をつり上げた企業がありました。しかし、今も成長発展を続ける企業の経営者に、あのとき我を忘れて、暴利をむさぼった者はいないはずです。もし、あったとすれば、その企業の余命はいくばくもないと私は思います。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように
人生や会社の未来は
考え方や人生観、在り方、哲学で
決まるのではないかと思い至りました。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所