日本式経営が注目を浴びています。欧米からみれば、「なぜ、会社のために、社員が懸命に働いてくれるのか」が理解できず、きっと素晴らしいシステムがあるに違いないと考えているのです。
そうではありません。日本人の勤勉性は、勤勉を貴く思う日本古来の伝統的な価値観に基づいています。日本企業が優秀なのも、その価値観を持った中堅社員が、一生懸命働いてくれるからです。
しかし、あと十年もすれば、豊かな時代に育った世代が企業でも中心を占め、個人主義が台頭してくるでしょう。そうすれば、アメリカ産業の没落が、個人主義の行き過ぎによる、仕事を愛する心の消失から始まったように、日本の各企業も衰退の道をたどっていくに違いありません。
個人主義のアメリカでも、IBMやヒューレッドパッカードのように、企業の思想、哲学を懸命に説き、発展を続けている企業があります。日本の経営者も古き良き時代の倫理観からくる社員の勤勉性に甘えることなく、若い社員に対して、働く意義、生きがいとなる企業哲学を打ち出し、共感を得るよう努力しなければ、アメリカ産業の没落を他山の石とすることはできません。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所