経営者の哲学を社内に伝達するにあたり、年齢差や生活環境、人生経験の違いによって、理解にギャップが生じることがあります。
経営者と社員の間に年齢の開きがなかったならば、趣味や行動の面からもお互いに通じ合うことができ、その親しみやすさで社員を引っ張っていくことができるわけです。
しかし、親子ほどに年齢が開いて、経営者の哲学に時代背景が色濃く反映されればされるほど、若い人には理解されにくくなります。
若い人に理解してもらうためには、経営者の哲学に普遍性が必要です。人間共通の基盤がなければなりません。年代が離れていても、「人間として正しいこと」という、原理原則に立脚した哲学ならば、世代を超えて、必ず共鳴してくれます。
「最近は、安易な方向に流れ、働かない若者が多い」と嘆く人がいますが、自分の未来に夢を抱いて前進したいという思いは、世代を超えた共通項のはずです。
夢があり、興味を持つことができるならば、「どんなつらい仕事でもやろう」という若者は、決して少なくないと思います。この共通の基板に訴えれば、必ず若い人も理解してくれると思います。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように
人生や会社の未来は
考え方や人生観、在り方、哲学で
決まるのではないかと思い至りました。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所