私はいつも、「土俵の真ん中で相撲をとれ」と言っていますが、それは土俵の真ん中を土俵際だと思って行動しろという意味です。
学生時代、皆さんも試験直前になって、あわてて一夜漬けをした経験があると思います。そして間に合わず、破れかぶれで試験に臨んできた人も多いことでしょう。試験の日時は決まっているのですから、いい点を取りたいと思っているなら、早くから準備をしていればいいのに、多くの人はそうしようとはしないのです。
また、相撲を見ていても、俵に足がかかると馬鹿力を発揮して、うっちゃりをする力士がいます。あのくらいの馬鹿力が出るなら、土俵の真ん中で出せばいいのに、といつも私は思います。
実は、人生も同じなのです。土俵の真ん中にいるときには、余裕があるから安心してしまい、行き詰まってからあわてるのです。
常に余裕がないと考え、瀬戸際にまで追い詰められる前に力を振り絞るようにしなければなりません。また、土俵際つまり窮地に陥らなくても、リスクが想像でき、事前に手を打てるようでなければなりません。
安全弁を置いた進め方をしなければ、人生も仕事も経営も決して安定したものとはなりえないのです。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように
人生や会社の未来は
考え方や人生観、在り方、哲学で
決まるのではないかと思い至りました。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所