ひとつのことに打ち込む


 私はひとつのことに打ち込んで、それを究めることによってはじめて真理に達することができ、森羅万象を理解することができると思います。

 

 たとえば、長年仕事に打ち込み、素晴らしい技術を修得した大工さんなどに人生について聞くと、素晴らしい話をされます。また修行をし、人格を磨いてきたお坊さんは、異分野の話をしても素晴らしい真理を説かれます。その他にも作家、芸術家など一芸を究めた人の話には、非常に含蓄があります。

 

 学校出たばかりの若い人は、会社に入って地味な仕事ばかり続くと、「こんなことばかりしていていいのだろうか」と不安に思い、「他の仕事をやらせてほしい」と言い出します。

 

 しかし、それは違うのです。広く浅く知ることは、何も知らないことと同じなのです。深くひとつのことを探求することによって、すべてのことに通じていくのです。


 それは、すべてのものの奥深くに、それらを共通に律している真理があるからだと私は思います。ひとつのことを究めることは、全てを知ることになるということを忘れてはなりません。




上記の言葉は

京セラ、KDDIの設立者であり

経営破綻したJALを2年で再生させた

経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。


私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように

人生や会社の未来は

考え方や人生観、在り方、哲学で

決まるのではないかと思い至りました。


これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を

自分自身のために、そしてコンパスの未来のために

全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。


社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み

繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。


代表取締役社長 板橋満彦




出典

『心を高める、経営を伸ばす』

―素晴らしい人生をおくるために― 

稲盛和夫著  発行元PHP研究所