原点を見失わない


 山登りをしていて、ガスに包まれ視界ゼロという状況で、分岐点に行き当たるたびに進路を判断していては、ルートを見失って遭難してしまいます。この様な時は再度ベースキャンプに戻ってやり直すことがいいといわれます。


これは新規事業に乗り出すときや、未踏の研究分野に挑戦するときにも当てはまることです。


このような新たな領域では、何度も壁に当たり、行き詰まることを経験します。そのような局面では、当面の問題点の克服だけに終始してしまい、何とかクリアしたとしても、目標に対して若干のズレが生じることがあります。そして、何度もこの当面の解決を行ううちに、いつのまにか当初の目標からは大きく逸脱してしまうのです。


本人はいくつもの障害を越え、「よくやった」と自らを慰め、「まぁ、このくらいでいいだろう」と満足しているのですが、結果は成功とはほど遠いものになってしまっているのです。


その場かぎりの判断をし、原点に立ち返らないために、この様な結果を生むのです。原点を見すえ、ものごとの本質に立脚した判断こそが、未到の領域で成功をもたらすのです。



上記の言葉は

京セラ、KDDIの設立者であり

経営破綻したJALを2年で再生させた

経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。


これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を

自分自身のために、そしてコンパスの未来のために

全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。


社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み

繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。


代表取締役社長 板橋満彦




出典

『心を高める、経営を伸ばす』

―素晴らしい人生をおくるために― 

稲盛和夫著  発行元PHP研究所