広中平祐先生は、数学の難問を解いて、フィールズ賞を受賞されました。その難問を先生は、次元を一つ高くすることによって、簡単に解かれたそうです。その弘中先生が、「複雑な現象というのは、単純な事実の投影に過ぎない」と言われています。
人間社会というのは複雑なもので、職場の人間関係、親戚との関係など、わずらわしく複雑怪奇なものにも見えます。しかし、この人間模様、人生模様は、単純な事実の投影に過ぎないというのです。
たとえば、平面交差をしている交差点に、四方から車が入ってきますと、行き詰まってしまいますが、一つ次元を加えて立体交差だとすると、滞りなく車は通行します。つまり、三次元の影である二次元だけを見ていますと、車はぶつかっているように見えますが、それは三次元の立体であるのに、二次元の平面を見て、複雑怪奇だと嘆き苦しんでいるのです。
人生も人間関係も同様です。それは単純な事実の影におびえているに過ぎないのです。単純な事実とは、実は自分の心です。自分の心の投影が、複雑で困難な現象をつくり出してしまっているのです。
複雑な現象の中に、真実を見いだすには、自分の心の次元を一つ高めるしかありません。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように
人生や会社の未来は
考え方や人生観、在り方、哲学で
決まるのではないかと思い至りました。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所