できないことを認める


 私は、鹿児島から京都に出て仕事を始めた頃、鹿児島弁しかしゃべれず、田舎者だと言うことで、非常な劣等感に苦しんだことがあります。


このように劣等感を持った場合、挫折につながっていくタイプの人があるのですが、私は劣等感を素直に受け取ったため、挫折することはありませんでした。


「自分は田舎者だ。世間も知らないし、常識もない。大学は出ているけれども田舎大学だ。都会の一流大学を出た人よりは、実力はなさそうだ。基本的なところから勉強しよう」と考え、さらに一生懸命に仕事をしました。


つまり、劣等感と格闘するのではなく、劣等感を素直に受け止めるのです。これが心を軽くし、努力へのステップとなるのです。


自分ができないことをできるようなふりをするのではなく、できないことをできないと素直に認めて、そこからやり直していくのです。これが大切です。


私は社会人になった時、このように考え、人生において努力を続けました。



上記の言葉は

京セラ、KDDIの設立者であり

経営破綻したJALを2年で再生させた

経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。


私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように

人生や会社の未来は考え方や人生観、在り方、哲学で

決まるのではないかと思い至りました。


これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を

自分自身のために、そしてコンパスの未来のために

全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。


社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み

繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。


代表取締役社長 板橋満彦




出典

『心を高める、経営を伸ばす』

―素晴らしい人生をおくるために― 

稲盛和夫著  発行元PHP研究所