企業の利益と、経営者自身の利益を両天秤にかけた場合、常に経営者は企業そのものにウェイトが置かれるような倫理観を、持たねばなりません。
例えば企業を上場する場合、従来の株主が持っている株式を市場に出していく方法と、企業が新しく株券を発行して市場へ出していく方法の二通りがあります。前者の方法をとると経営者を始め、株券を持っている人にプレミアムが入るのに対し、後者の方法では、プレミアムが全部企業の中に入ってくるわけです。
私の場合は、即座に新株発行の方法に決めました。それは、私が企業内において、パートナーシップ、つまり本当に信じあえる仲間のために、命をかけても惜しくないというような交わりを常に心がけ、そして社員もそれを理解し、一生懸命に働いてくれていたからです。
パートナーである社員の将来のために、企業そのものを豊かにし、企業が永遠に栄えるようにしなければなりません。これが経営者としてのベーシックなモラルです。
上記の言葉は
京セラ、KDDIの設立者であり
経営破綻したJALを2年で再生させた
経営の神様と呼ばれた稲盛和夫氏の言葉です。
私は稲盛氏が多くの著書で伝えているように
人生や会社の未来は
考え方や人生観、在り方、哲学で
決まるのではないかと思い至りました。
これから毎日、稲盛氏のことば(哲学)を
自分自身のために、そしてコンパスの未来のために
全社員と共有したいと思い、ここに掲載することにします。
社員の皆さんも毎朝始業前に、このことば(哲学)を読み
繰り返し腑に落とし、自分自身の生き方としていってほしいと思います。
代表取締役社長 板橋満彦
出典
『心を高める、経営を伸ばす』
―素晴らしい人生をおくるために―
稲盛和夫著 発行元PHP研究所